uber Eats配達員いざ参る‼

生のuber配達員が知られざる業務内容や日々の出来事を綴る奮闘記

薄気味悪い事件簿

 

 

 

バイク配達にしてよかった。違反切符切られたし、ガソリン代もかかるけど、

それを差し引いても有り余るほど快適に配達業務をこなせる。

何といっても配達バッグを荷台に脱着式にしたのはデカいと思う。

バッグを背負うと背負わないとでストレス具合がかなり違うもので、

それにより長時間稼働もしやすくなったのは確かだ、

これなら仕事として続けられそうだ。

 

その日も気持ちよく朝から配達をこなしていた。

お昼13時を過ぎた頃、2時間ほど前に一度配達にいった定食屋から

本日二度目のリクエストが入ったので、店に行くと店員さんに

おかしなことを言われた。

 

僕が二時間ほど前に配達をしたお客さんから店に電話があり、

一向に注文が届かないという。

 

しかもアプリ上では配達完了になっていてドライバー(僕)にも

ウーバーサポートにも繋がらないらしい。

そのお客さんはその電話で改めてもう一度注文をし直し、

別の配達員が届けたのだという。

 

今それを言われるまで何事もなく配達をこなしていた僕には

実に奇妙で薄気味悪い話だった。

 

まず考えられたのは、それは僕ではなく別の配達員じゃないのかということだが、

定食屋の店員さんは僕に渡した配達分だという。

 

何が起きているんだ⁉理解不能だ。

 

配達アプリを見ると無傷だった僕の評価がひとつ下がっていた。

どうやらこれは僕で間違いないようだ、

 

とにかくこのお客さんに会って真相を確かめないと、お客さんも怒ってるはずだ。

 

僕は今日これまでの配達を振り返りながら、

アプリで一回目の定食屋の配達先を見直し必死に思い出した。

 

そこは個人宅ではなく届け先は会社名になっていて、少し探したことを思い出した。

その会社名の書かれた案内看板を見つけその矢印の指す建物に入ると、

男性が一人出てきたのでuber Eatsの配達であることを告げると

 

「ウーバー? 出しとくわ、いくら?」

 

そうして代金をいただき商品を渡したのだ。

代金をもらい商品を渡したのだから、配達完了となった。

 

この男性の対応から注文したのはこの人ではないようだったが、

もしかして代わりに受け取ったが渡すのを忘れているのではないだろうか。

もしくは何かの事情で引継ぎできていないのでは?

そんな考えが頭をよぎる。

 

急いでその会社を訪ねると、先ほどとは別の男性が出てきてこういった。

 

「あ、ウーバー? 届け先間違えてるで、うちと違うわ

もうないよ、お金払ったから食べた」

 

僕は想定外の事態にどうしていいかわからず

「すみませんでした」といってその場を後にした。

 

ということは、注文した人は別の場所にいる。

 

 なんだかサスペンス劇場みたいになってきたが、

ようやく僕にも事の真相ってやつが見えてきた。

 

 

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そもそもこの事件は僕の届け先の間違いから始まっている。

 

これまでも届け先とは違うお宅に訪ねてしまったことはあったのだけど、

その時は「うちは頼んでないよ」と言われるか

誰も出てこないかだったので

ちゃんと注文者に届けるまで配達は完了しなかった。

 

今回届け先が事業所だったことがポイントかもしれない。

 

僕が間違えて届けた事業所で対応してくれた人は、

もちろん注文などしていないのだけど、何かの理由で今席を外している他の誰かが頼んだのだろうと気をまわし、代理で商品を受け取り支払いをしてくれたのだ。

 

僕の確認不足が全てだ。

 

 

僕は真の注文された方を探して付近を捜索し、その事業所を見つけた。

わかりにくい場所ではあったが、僕以外の配達員が届けているのだから

釈明の余地はない。

 

注文された方にお会いでき、言い訳がましく聞こえたかもしれないが

事情を説明し謝罪した。

 

僕の確認不足により多くの方にご迷惑をお掛けしたことは本当に申し訳ない限りだ。

 

今回の一件で個人宅ではない事業所などに配達の際は

こういったことが起こり得るのだと肝に銘じて

再発防止のため確実な確認作業を徹底する。

 

そう思える出来事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

警察のお世話になりました

 

 

歳のせいと言えばそれまでだけど、

厳しい猛暑の中で朝から晩まで自転車を漕ぎ続けることに限界を感じた僕は、

中古の原付バイクを買ってまでバイク配達にシフトするほど

疲弊していたのかもしれない。

 

配達の仕事が嫌になったわけではないので、

バイクでの配達も新たな楽しみとも言えるが、バイクに乗るのはかなり久しぶりで、

操作に関してはスクーターなのですぐ慣れるとして、

厄介なのが自転車と明らかに違う交通ルール。

これまで自転車で普通に通れた道が一方通行などで通れなくなるのだ、

見た目には何も変わらない道が道路標識で区切られてしまうのだから、

慣れるまでかなり注意が必要になる。

 

またこの原付バイク(正式には原動機付自転車)という乗り物は、

自転車ではないくせにバイクにもなれないという中途半端な立場に置かれていて、

原付バイク特有の面倒なルールが定められている。

細かく言うとたくさんあるのだけど二つ代表されるものがあり

その一つが制限速度30㎞。

たとえ制限速度60㎞の道路を自動車と一緒に走っていても

30㎞で走行しなくてはいけない。邪魔じゃね?

 

もう一つは二段階右折

二車線以上の広い道路は普通に右折してはいけないというもの。

 

また配達をしていて厄介なことに気づいた。バイパス道路だ。

地下をくぐったり、高架を使ったりして線路や道路を越えるバイパス道路は

場所により原付バイクは通れたり通れなかったりするので、

これも道路標識をよく見ておかないといけない。

 

厄介というのは

配達においてはナビを頼りに目的地に向かうのだけど、

ナビは自動車用であって、原付バイク用ではない。

そうなると原付バイクが通れないバイパス道路にも普通に誘導されてしまうという

事態が起こり、とても怖い思いをする。

 

乗り物として手軽なのはいいのだけどバイク扱いにしてもらいたい。

 

 

 

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バイク配達を始めて二日目に早速事件は起きた。

自転車では通り慣れた道だった、言い換えると自転車の癖がついた道。

大通りから少し入った道路をバイクで走行中、

信号のない交差点に警察官が立っていて取り締まりをしているようだ、

僕の単車を見つけると笛を吹いて停車させた。

 

僕はなぜ止められたのかわからず周りを見渡すと、

道路の隅っこに[➡]があった。

僕はその[➡]とは逆向きに進んでいた、つまり逆走していて

その行く先にお巡りさんいたということだ。

漫画のような展開で、我ながら間の悪さに驚いた。

 

お巡りさんに止められるとまずお決まりの免許証拝見となり、

そこで更にやっちまったことを知る。

免許証を持っていない。

これまで自転車配達だったため運転免許証を所持する癖がなかったからだ。

それまで穏やかに話していたお巡りさんの表情が曇った。

 

僕は結局、一方通行違反と免許不携帯の二つの違反切符を頂くこととなった。

はじめのうちは今日は厄日だなどと思っていたが、全く自分の過失だ、

これは何かの警告だったんだ、今日捕まって良かったんだと思えた。

 

しかし事態はまだ収まらず面倒な方向に向かっていく。

運転免許証を所持しておらず家に置いてきているのだが、

その運転免許証が本当にあるのか確認したいという。

取りに帰ってほしいがこのままバイクを運転させるわけにはいかない。

家からはさほど離れてはいないが、徒歩なら往復で30分から40分かかるというと、

お巡りさんは無線で応援を要請。

なんとパトカーを一台呼んだのだ。

パトカーで家まで送るので運転免許証を取ってまた戻ってきてほしいという。

それは全然構わないのだけど、到着したパトカーには警官が三人も乗っている。

何なんだこの物々しさは⁉ 

 

というか僕が違反をしたばかりに、これだけの警官に手間を取らせて

申し訳なく思えた。そう思わせて戒める作戦なのか⁉

 

 

 

 

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とは言え滅多に乗ることのできないパトカーに警官三人を伴い乗り込み

すっかり犯罪者気分だ。

 

家に到着すると急いで運転免許証を取ってきて、

マンション入り口で待ち構えていた警官に見せて、またパトカーに乗り込み

現場に戻ると僕は晴れて釈放となり、

その足で罰金を納めに行った。

 

 

 

僕が久しぶりの単車で久しぶりに頂いたダブル違反切符は

 

一方通行逆走違反

減点 2点    

罰金 5000円

 

運転免許証不携帯

減点なし

罰金 3000円

 

 

実に痛い出費だが、無駄ではない、意識付けに役立ったのだと言い聞かせ

その日は配達をやめて帰宅し、ふて寝した。

 

 

 

        

 

 

 

 

        つづく